冬といえばおでんだ
実家では寒くなると必ず
母が大鍋でおでんを煮込む
単に具材が煮てあるだけの料理
子供の頃はそう思っていたので
「母の手抜き料理」と位置づけ
おでんがあまり好きではなかった
今思えばかなり失礼で
出汁や具材の切り方など
実は手間暇かけて作られている
20代後半に一人暮らしをしていた
マンションの近所に
有名なおでん屋があった
冬には行列ができるため
近所の人は鍋を持参して
おでんをテイクアウトしていた
そして
食べ終わった出汁に
うどんを入れて閉めるのが
お店では味わえない
テイクアウトの特権だった
今はコンビニでも年中気軽に
おでんを買うことができるので
「冬の食べ物」
というイメージは低いが
それでも熱々のおでんは
冬に食べると一層美味しく感じる
関西と関東では具材も異なるし
地方によっては味噌で煮込むなど
家庭によって全く異なる食べ物になる
成人以降、兄弟が独立し
家族で食事をする機会は
盆とお正月ぐらいだ
それでも母は
冬になると大鍋でおでんを煮込む
家族団らん
今では月に一度帰省する
わたしと二人での食事が多いが
そこに居ない家族を想いながら
にぎやかに食べるおでんは
「自分」を温かくしてくれる☆